【役に立ったらいいな】胃カメラ 口から? 鼻から?
お疲れ様です。
今日は胃カメラ(上部消化管内視鏡検査)について書いてみようかと思います。
過去の胃カメラネタはこちらから。
胃カメラする時によく聞かれるのが、
「口から(経口)か鼻から(経鼻)かどっちがいいですか?」
ですが、これについて書いていきたいと思います。
面倒だったら最後にまとめてますのでそちらをお読み下さい。
鼻から(経鼻内視鏡)視点で説明していきます。
【鼻からのメリット】
まず鼻から(経鼻内視鏡)のメリットとしましては、
●楽に受けられる
があると思いますが、これは経口と違って口蓋垂(いわゆる、のどち〇こです)近傍を通らないため咽頭反射(オエっとなることです)が起きにくいためです。
●検査中会話ができる
これもメリットとなることが多いです。話しながらだと大分気も紛れるし、何かあれば説明しながら検査もできます。
●画質に遜色がなくなってきている
昔は経鼻カメラは細いので画質が悪いと言われてましたが、最近はどんどん良くなってきていて、普通に検査する分には全く問題ないと思われます。
【鼻からのデメリット】
それに対してデメリットとしましては、
●カメラが細いため処置ができない
これは経口との大きな違いです。組織を取って調べる検査くらいはできるのですが、それ以上の処置(例えば血を止めたりする処置)は鉗子が通らないためできません。
ですから、止血処置する必要のある時、もしくはその可能性を疑うときは問答無用で経口から太いカメラを入れることになります。
●画質、特殊光検査、拡大検査の問題
先ほど普通に検査する分には問題ないと書きましたが詳しく調べる必要のある時はあまりよくありません。
というのも最近は特殊光検査という検査が発展しており、病変に特殊光を当てることで血管構造を強調し、それを拡大してみる事で癌なのかそうでないのか、また癌の深達度(どれくらい深く浸潤しているか)等を評価することができます。
これは太いカメラにしか出来ないので、精査する時はこれも問答無用で経口になります。
これらの点を考えると、普段はいきなり精査や処置する事はほぼないですので
取り敢えず胃カメラ受けるときは経鼻でいいんじゃないかとなりますが、
気を付けないといけない大きな点があります。
【絶対気を付けること】
●鼻腔が狭いと危ない!
経鼻内視鏡は鼻の奥にある鼻甲介という部分を通っていくのですが、ここが狭いと検査後の鼻出血を引き起こしたり、ひどいときは骨折したりすることもあります。
小顔の人はもちろんですが、大柄男性の方でも鼻腔が狭い方はたまにいらっしゃいますので、そういう方は経口の方が安全です(一度やってみないと分からないですが…)
●経験少ない医師がいる
内視鏡が下手な先生に当たると危ないです。
ちゃんとトレーニングしていないのにお金儲けでやっている先生は意外にもめちゃ多いです。
しかもそういう先生は人気優先ですのでうちは経鼻なので楽にできる!!と大いに謳って患者さんを誘き寄せます。
見分け方としましては以前にも書きましたが、
内視鏡専門医を持ってる事は絶対に大事です。
内視鏡専門医はトレーニングなしには取れない資格です。
取っていなくてもうまい先生はいますが、可能性としてはやはり低くなってきます。
ただ難しいのは大きな病院だけに勤務されてる専門医の先生は精密検査が多く、逆に経鼻内視鏡をされてる経験が少ないという事もたまにありますので、
あくまでも目安にして後は口コミとかに頼るのが現状だと思います。
(詳しい調べ方)
もっと詳しく調べたい方は、受ける病院のホームページを見てください。
しっかりしている病院は内視鏡件数が書いています。その中で経鼻内視鏡の件数を書いていてくれているところがあれば大体大丈夫です。
書いていなくとも最低年2000-2500件くらいやっていれば毎日検査しているはずですので普通はちゃんとしているところが多いです。
もちろん例外もあります。
例えば僕の勤めている病院では
年3000-3500件近く内視鏡行っており、
経鼻内視鏡も毎日行っていて、
皆専門医を持っている、
というこの基準で言うと安心な病院になるのですが、曜日ごとに行う先生が変わるため、月火水はうまい先生、木金は正直お薦めは出来ない先生が担当しています。
こんな感じで病院の中でもかなり偏りがありますので最終的には口コミや内部の人の情報が大事になってきます。。
信頼できる町医者さんがいればそれが確実なのかもしれませんがこれまた見極めるのはなかなか難しいです。
【結論】
まとめますと、
●健診など取り敢えず受ける検査、または症状が軽い方は経鼻内視鏡の方が楽な可能性が高い!
●しかし癌を疑われた時とか症状が重い方は経口で受ける方がいい(普通は医師側から提案されます)
●カメラを行うときはその先生が内視鏡専門医かどうか確認。
●最終的には口コミ、内部情報も大事になってくる
以上が気を付ける点だと思われます。
他にご質問あればいつでもどうぞ!
最後まで読んでいただきありがとうございました!