【雑記】血を吐いた!その時現場は。処置編 (中編)
皆様お疲れ様です。
今度こそまとめきりたいと思います!でも難しいかも…(笑)
前回の話はこちらから。
【あらすじ】
アルコール依存症のヤ〇ザ屋さんが救急搬送されてきた。
到着とともにショックとなるも、何とか体制を整えついに処置が始まった。
処置開始、すぐに出血部位を見つけ止血処置を行い一旦成功したのだったが…
僕「やばい予感がするわ、ちょい奥みてる!」
焦る気持ちからか少し噛む。奥を見てみると言いたかった。
最高のスピードと最高の慎重さで括ったばかりの静脈瘤を越える…
するとそこには見たことのない光景が広がっていた。
僕「!!」
看「先生これって…」
僕「違う静脈瘤からの再出血だね…しかも2、、、いや3箇所から出てる!!」
【食道静脈瘤の再出血】
前の(中編)で書かせていただきましたが、静脈瘤は本来肝臓を通るはずの血流が肝硬変などにより通れなくなることで、その血流が食道に流れ込んで静脈が拡張、静脈瘤となり最終的に破裂する病気です。
処置により一つの血管を遮断すると、その血流は他の食道の血管に流れ込んでしまうため他の静脈瘤は悪化する場合があります。そのため今回のような緊急の場合以外は他の血管も併せて処置してしまう場合が多いです。
僕 (他の血管も確かに腫れてきていたし処置は必要だったんだろうけど、、出血したところから処置するのがセオリーやしこんなん防ぎようないやん…)
ネガティブな気持ちが徐々に込み上げて来る。
(果たして自分にこの3箇所同時出血を止められるのか?)
(止めたとしてまた再出血してきたら大丈夫なのか?)
(だから救急要請受けなきゃよかったのに…)
ここまでくるとただの駄々っ子である。
(!…いかんいかん!やらなきゃ死ぬならやるっきゃない!!)
そう気持ちを切り替えるまで約10秒。
すぐにカメラを引き抜き再度輪ゴムを装填する。
そして再度挿入するとき看護師さんが一言。
「輸血もうすぐ来ます!先生いけますよ!!」
僕のネガティブな思考も、そこからの切り返しも理解してくれているのだろう。
そっと背中を押してくれるその一言で勇気が出る。
僕「輸血来たらすぐ入れて!こっから画面だけに集中するから頼んだ!!」
看「はい!」
もはや患者さんのバイタルサインも全て看護師さんに任せ、処置のみに全てを集中する。
カメラを挿入する。
先ほど括った静脈瘤を越えて、新たな戦場へ到着する。
この輪ゴム再装填の間にもすでに血の海になっている…
吸引をかけて血の海を吸いながら奥に進んでいく。
ここで焦って手前から止血をすると、次に輪ゴムで止めるときに越えなければいけない処置後の静脈瘤が増えてしまう。
我慢しながら一番奥まで進まなければならない。
一瞬で画面を鮮血に染め上げる血の滝を2つ越えてようやく1つ目の出血点にたどり着く。
(よし!いける!!)
幸いにも出血してる場所同士は離れていた。
出血点が近いと、吸引して括るときに十分に静脈瘤が吸引できないことがある。
今回は3箇所とも十分な距離を保っていた…
僕「止血します!(吸引をかける)…よし!括って!!」
この処置(EVL)は2人1組で行う。合図とともに介助者に輪ゴムを発射してもらう。
看「はい!」
輪ゴムがかかる…血の滝は止まった。
僕「よし、後2つ!どんどんいこう!」
一つ成功すると俄然に自信が湧く。
すぐにスコープを抜き輪ゴムを再装填する。
そして2つ目を輪ゴムを装填した直後であった…
??「うぅぅおおおおお!!!!!」
僕・看「!?」
まさかの出来事が起こる…そう患者さんが目を覚ましたのである。
出血性ショックで意識を失ってたのでは??
…ん?そういえば朝から酒を飲んでたって言ってたような…
そう、患者さんは一旦は血圧が下がって倒れたのだが、必死の点滴でショックから立ち直って以降はただお酒の効果で寝ていたに過ぎなかった…
現状に混乱しているのか暴れ始める…まだ出血点は2つ残っている…
とすぐに看護師さんが全員で取り押さえる。その疾きこと風の如し。
すぐに鎮静剤を投与しようとしたのだったが……
……すいません。書き始めるとどんどん思い出してきて書くことまだまだありました^^;
次回最終回!にしたいです!!
最後まで読んでいただき有難うございました。!