【役に立ったらいいな】大腸内視鏡(大腸カメラ) -実践-
皆さまお疲れ様です。
今回はいよいよ大腸内視鏡検査実践について書いていきたいと思います。
とはいっても、前回書いたように眠たくなる注射(鎮静剤)を使っていたら寝ている間に終わりですのであまり興味ない範囲になるかもしれませんが(汗)
どんな検査を行っているか書いていきます。
【まずは挿入】
まずやっている最中によく言われるのが、
検査序盤の「ポリープとかありますか?」という質問です。
これについては基本「わかりません」と返しています。
大腸カメラは大体初め(挿入中)観察は行いません。
よほど大きかったりすると挿入時に見えることはありますが、そんな時でも詳しく観察は行わず、まずは一番奥まで挿入してから引き抜きながら観察する事が基本となってきます。
これには理由があります。
大腸は1.5mくらいありますが、これに対して大腸カメラの長さは大体1.2mほどです。普通に押して入れていくだけでは長さが足りなくなります。
そのため、挿入中は大腸を折り畳みながら挿入していきます。
この際に空気を入れてしまうと折り畳めなくなってしまいます。
分かり易い例えとしてはバルーンアートの風船を考えてみてください。
空気が入っていないときはふにゃふにゃですが、空気が入ると真っ直ぐに伸びてしまい折り畳むのは困難になります(実際のバルーンアートはそっから曲げまくってますが^^;)
このように空気を入れずに挿入することが必要になってきますので、途中で観察するべく膨らます事は控えなければなりません。
【挿入しやすい人、しにくい人】
大腸内視鏡検査にて楽だった人としんどかった人と分かれる理由があります。
まずは細身で小柄な女性の方は難しい事が多いです。
これは、おなかの中のスペースが狭いので大腸が鋭角で折れ曲がって収納されてしまってる事が多いからです。
大腸の中を進むとき急カーブがあるとそれだけスムーズに越えるのが難しくなり、どうしても無理やり押しながら越えていたりする必要が出てしまいます。
次にお腹の手術をしたことがある方は難しくなりやすいです。
傷ができると治る際に周りの組織を引っ張りながら(引きつれながら)治っていきます。お腹の手術の後にはこれがお腹の中で起こります。そのときに腸管の組織も引き込まれてしまうと、その一部分の動きが制限されてしまいます。
これは癒着と言います。この癒着が起きた部分は折り畳むこともできず、押していくしか越える方法がありません。ここを越えるときは激痛を伴うことが多いです。
癒着は特にS状結腸に起きると痛みが強くなることが多いです。
場所的には臍から下腹部あたりの手術に起きやすく、個人的には子宮、卵巣の手術、帝王切開、その他下腹部を切開するような手術をされた方は癒着が強い印象があります。
次にお腹の中に炎症を起こしたことがある人も難しくなりやすいです。
これも先ほどと同様炎症が起きることで癒着が起きてしまいます。
腹膜炎、虫垂炎(いわゆる盲腸です)、卵巣の炎症、急性膵炎など病名は様々ありますがお腹の中の炎症が起きた方は要注意です。
以上に当てはまる方は前回書かせていただいた鎮静剤を始めから使うのがベターかもしれないです。
長くなりましたのでとりあえず今回はこの辺で切り上げたいと思います。
最後まで読んでいただき有難うございました。