【役に立ったらいいな】健康診断 バリウム?胃カメラ?
皆様お疲れさまです。
今日はよく聞かれることについて書いてみようかと思います。
健康診断で胃の検査といえば
●バリウム検査(消化管造影検査、胃X線検査)
●胃カメラ(上部消化管内視鏡検査)
があります。
どっちがいいの?なんて聞かれますが、これはもう
胃カメラしかありえないと思います。
理由を説明していきます。
まず第一に
【診断能が違う】
バリウムの仕組みは胃の内面にX線に映る液体(バリウム)をつけてX線を当てることで、外から胃の形を見て診断します。
ここで問題なのが、バリウムが胃の内面に付着しにくかったり、バリウムが胃から流れ出てしまったりすると診断が困難になってきます。
また粘膜の凹凸をみながら病変を診断しますが、平坦な病変は発見することができません。
胃カメラでは直接見ながら診断しますのでその点はもちろん問題なく観察できます。
次に
【バリウムで異常があれば胃カメラを行う】
これが大きいと思いますが、バリウムで引っかかったら胃カメラ行います。
となれば、わざわざ診断能の低い検査を行う意味はほとんどないといっていいと思います。
また
【バリウムでは腸閉塞を起こすリスクがある】
バリウムが検査後上手く出ずに固まってしまうと腸閉塞のリスクにもなります。
もちろん胃カメラでもリスクがないわけではありませんが、そのほとんどは術者の技量でカバーできる事がほとんどです。
以上が胃カメラを勧める大きな理由です。
バリウムがとっても楽な検査ならまだ選ぶ余地もありますが、バリウムも大概しんどい検査です。
百害あって一利なし、とまでは言いませんが胃カメラがどうしても出来ない人やバリウムがどうしても好きな人以外には消化器内科の医師はまず絶対にお勧めしません。
またこれは余談ですが、健診のシステムは異常所見を引っかけて(異常を指摘すること)いい上限が決まってます。これは適当に引っかけまくって検査で儲けるような悪い病院を取り締まるためでしょうが、そのせいで診断にバイアスがかかってしまう可能性もあります。
わかりやすく昔の経験で言いますと、以前僕が健診の手伝いに行ったときに「あまり引っかけると調査が入ります」といわれてから画像の診断に入らされました。僕は手伝いで行っただけでしたのでもちろんそんなの気にも留めずに怪しいと思ったら引っ掛けまくってました(笑)
ですが、それを気にしてしまう立場の先生(例えばその病院の関係者など)が診るとなれば話が違ってくる可能性があります。
そんな事もありまして個人的には健診は全て内視鏡検査に代わってほしいと思っております。
しかしながら、さすがにバリウム作ってる会社とか、バリウム検査する技師さんたちの生活もあります。また本当に廃れてしまったら、いざ消化管造影行うとき(かなり限定的な状況ではありますが)にできる人がいなくなってしまうなどの可能性もあります。
ですので声を大にして言いたいとは思ってはおりませんが、
せめてこれを読んでいる方々には
健診では胃カメラを受けてください!
とお伝えしたいと思います。
最後まで読んでいただきありがとうございます。