【雑記】優しい笑顔 その11 闘病編【1日目】
皆様お疲れ様です。
前回の続きを書いていこうと思います。
前回の話はコチラから
第一話はコチラから
【あらすじ】
化学療法班を周る新人の僕は32歳という若い大腸癌患者Aさんの担当になった。
自信を取り戻した僕はもう治らない状態である事をAさんに伝えた。
そして最期の入院生活が始まった。
僕「さて…」
Aさんと話した後、そのまま詰所に戻りパソコンの前に座った。
(点滴の予定を組んで、採血の予定を入れて、明日もう一度レントゲンを撮って…)
今後の予定を考え始める。
…
「本当ですか?…やった。」
あの時のAさんの笑顔が頭から離れない。
…これでよかったのか?
…いや、これしかなかった。
自問自答の渦が葛藤となって押し寄せる。
パソコンに向かう手は止まっていた。
そんな姿を気にしてか看護師さんが声をかけてくれる。
看「先生大丈夫ですか?」
僕「うん、ありがとう。大丈夫。」
僕「…とりあえずかなり厳しい状態ってことは伝えたけど、点滴で経過みようって話してきました。」
看「はい。」
僕「退院も出来たらいいなって話もしてて…厳しいかもしれないけど…」
看「はい。」
僕「だからとりあえず出来る限りの点滴で戻ってくれたらいいなって思ってます。」
看護師さんは頷きながら聞いてくれている。
その心遣いが気持ちを和らげる。
僕「よし。」
再びパソコンに向かう。
栄養管理、抗生剤、腸を動かす点滴、そしてサンドスタチン
それらを組み合わせて点滴のオーダーを立て指示を出す。
続いて血液検査、レントゲン検査の指示を出す。
血液、レントゲン検査は2日後に行うこととした。
…さぁ、これで準備は出来た。
出来る限りの事は行った、後は祈るだけだ。
…そう、祈ることしか出来ない。
長い一日が終わった。
今回ちょっと短かったのですが、
まとめにくかったので一旦終了します。
箸休め的な回と思ってご容赦ください…
最後まで読んでいただき有難うございました!