【雑記】優しい笑顔 その13 闘病編【3日目】
皆様お疲れ様です。
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【あらすじ】
化学療法班を周る新人の僕は32歳という若い大腸癌患者Aさんの担当になった。
自信を取り戻した僕はもう治らない状態である事をAさんに伝えた。
そして最期の入院生活が始まった。
【3日目】
今日は採血と画像検査の日。
大体10時頃までには検査結果が出そろう。
結果が出次第すぐに病棟に行きたかったが、
あいにくその日は朝から胃カメラの検査があったため、行くのは少し遅れ昼からとなった。
N病棟に着き、カルテを探す。
いつもはカルテ棚に収められているのだが、その日そこにはなく詰所のテーブルの上に置いてあった。
僕「あれ?カルテ出てるけど、何かあったの?」
看「いえ、痛み止めの指示を確認してました。」
僕「ん?...結構痛がってはる?」
看「いえ、何か少し重たい感じがするみたいです。」
昨日と同じやり取りが続く。
...何か引っかかる。
そんな懸念を抱きながら、カルテを開く。
(熱は...ないな。血圧、脈拍...問題なしか。)
特にバイタルサインに異常は見当たらない。
(まぁ腸閉塞だしそれくらいはあってもおかしくはないか…)
痛み止めの回数は1日に1-2回と変わっておらず、このまま経過診ることとした。
僕「さて...」
祈りを込めてパソコンに表示された「検査結果」のボタンを押す。
血液検査は、炎症反応がよくなってきていた。
その他も特に悪くなっている部分は見当たらない。
僕「よし!」
続いてレントゲン検査を確認する。
…
腸閉塞は改善していた。
僕「ふぅ...」
久しぶりの朗報に胸を撫で下ろす。
(...早く伝えてあげないと)
喜びを抱え足早に病室へと向かった。
僕「Aさんおはようございます!」
A「先生お疲れ様です。どうでしたか?」
僕「今日はだいぶ良かったですよ!まずは...」
喜びのあまり今日の体調など聞くのを忘れ、
早々にレントゲンと血液検査の結果を説明する。
A「本当ですね!有難うございます。あ、あと便も出ましたよ!」
僕「本当ですか!良かった。これで管抜けますね!」
A「良かったです!」
朗報が続く。
鼻の管も抜ける、便も出ている。
次はご飯食べれるようになるんじゃないか?
そうなれば退院だって...
そしたらこのまま良くなって来月末には子供の顔見れるんじゃないか?