【ちょっと情報】果物で膵癌予防?
お疲れ様です。
今日はちょっとした情報を紹介してみようと思います。
10月16日に国立がん研究センター社会と健康研究センターより、果物・野菜摂取と膵がん罹患の関連にの報告が発表されました。
「International Journal of Cancer」
という雑誌のオンライン版で掲載されています。
Fruit and vegetable intake and pancreatic cancer risk in a population‐based cohort study in Japan
というタイトルです。
この雑誌 impact factor 7.36 と結構しっかりした雑誌です。
この調べ方は1995-1998年に医療アンケートに回答した9万人の人をずっと追跡して膵臓癌を発症した人の情報を解析するといった中々に根気のいる研究です。(発症中央値が16.9年ですので少なくともそれ以上は追跡しています!)
この中で577人が膵臓癌を発症しました。
それを解析したところ、
【果物摂取】していると
膵臓癌のリスクが【下がる】傾向がある
ということでした。
ただしこれはあくまで傾向があるというだけで有意な統計学的な差は出ませんでした。(統計学的には立証できていないということです。)
しかし非喫煙者(全く吸っていない人)に絞って解析すると果物摂取により膵臓癌のリスクが【有意に】下がっていました。
また意外なことに、
【野菜摂取】していると
膵臓癌のリスクが【上がる】傾向がある
これも傾向があるですので統計学的には有意ではありません。
しかしこれも喫煙既往者(吸った事がある人)に絞って解析すると膵臓癌のリスクが【有意に】下がっていました。
逆に吸っていない人では有意な差は認めませんでした(癌のリスクが上がるとは言えないということです。)
膵臓癌の発症には酸化ストレスという体へダメージを与える物質が絡んでいると考えられており、タバコと野菜が何らかの作用を起こしている可能性があるのではないかとのことでした。
しかしながら、今回の研究だけではまだ人数が少ないとのことでありあくまでも可能性がある 程度に考えていたほうがいいと思われます。
果物食べ過ぎて糖尿病になったらそれはそれで膵臓癌のリスクにもなってしまいますのであくまでも適量が必要にもなってきます。それは今後の研究で少しずつ明らかになってくれることを願ってます。
なので今回のことをまとめますと、
【タバコを吸わない】【果物摂取】
が膵臓癌予防の要因に成る可能性がある。
ということだと思います。
野菜については摂ったらだめだという論調になるのを防ぐため強調するのはやめておきます(笑)
タバコはそれ以外にも様々な疾患を引き起こしますので皆さま気を付けてください。
最後まで読んでいただきありがとうございました!!
【役に立ったらいいな】炭水化物抜きダイエット
お疲れ様です。
今回はダイエットについて書いてみようと思います。
僕も以前やっていたんですが、手っ取り早く痩せる方法に炭水化物を抜くダイエット方法があります。
ですが落とし穴もあるので書いていきたいと思います。
まず取り敢えず結論から言いますと、
長期的にはお勧めしない
です。説明していきます。
まず栄養について簡単に、、
栄養素は炭水化物、蛋白質、脂質の3つに分かれます
炭水化物は米や小麦粉(パン、パスタ)などが代表的で1gあたり4kcalあります。
蛋白質は肉、魚、豆が代表的でこれも炭水化物と同じで1gあたり4kcalあります
脂質は脂身のことです。これは1gあたり9kcalあります
炭水化物を抜くダイエットは、この
炭水化物とタンパク質はカロリーが同じ
というのを利用して、炭水化物を同じ量のタンパク質に置き換えるダイエットです。(と認識してます)
お茶碗一杯のご飯と200g位の赤身のステーキならステーキの方が腹持ちがいいということです。
ですが、
タンパク質は腎臓に負担をかける
ということをあまり発信している所が少ない気がします。
細かい代謝の話は置いときますが、炭水化物、脂質と違いタンパク質を栄養源として使用した場合、最終的に腎臓で代謝して尿になり排出されます。
なのでタンパク質を大量に摂取する状態(炭水化物抜きダイエット)を継続するということは、毎日腎臓にダメージを与えていることになってしまいます。
もちろん、タンパク質を食べてはいけないということではありません(笑)
バランスよく摂る事が大事でしてそのバランスとして
炭水化物:50~65%
タンパク質:15~20%
脂質:20~30% (摂取カロリーの割合です)
が良いとされています。
ですので、一日の食事例を挙げますと、
(炭水化物) 米300g →300×4(g/kcal)=1200kcal
(タンパク質) 肉80g →80×4(g/kcal)=320kcal
(脂質) 油、バター53g →53×9(g/kcal)=約480kcal で合計2000kcalとなります。
この場合の割合は 炭水化物60%、蛋白質16%、脂質24%となります。
(下にもう一問例題入れてます(笑))
こんな感じで食事食べながら、適度に運動していけば一番いいのですが。。
肉食べるときなんて80gで済むわけもなく、、
今日もバーベキューからの串カツを楽しんできます(笑)
がわかり易く書いてくれていました。(さっき調べて見つけました(笑))
皆様も参考にしてみてください。
といいながらカロリーメイトを紹介してみる(笑)
ちなみにこれは4本で
炭水化物40g、タンパク質8.7g、脂質22.2gですので
大体 炭水化物160kcal、蛋白質35kcal、脂質200kcal となり
大体 炭水化物40% 蛋白質9% 脂質51% と脂質多め他少なめとなります。
もちろんこれを普段から20本近く食べて栄養を補うわけではないですので(笑)、
携帯食として食べやすくして腹持ちの良さを追求した結果なんだろうなと思います。ビタミンとかも計算されてるので、携帯食には良いと思います。
最後まで読んでいただき有難うございました!
【役に立ったらいいな】健康診断 バリウム?胃カメラ?
皆様お疲れさまです。
今日はよく聞かれることについて書いてみようかと思います。
健康診断で胃の検査といえば
●バリウム検査(消化管造影検査、胃X線検査)
●胃カメラ(上部消化管内視鏡検査)
があります。
どっちがいいの?なんて聞かれますが、これはもう
胃カメラしかありえないと思います。
理由を説明していきます。
まず第一に
【診断能が違う】
バリウムの仕組みは胃の内面にX線に映る液体(バリウム)をつけてX線を当てることで、外から胃の形を見て診断します。
ここで問題なのが、バリウムが胃の内面に付着しにくかったり、バリウムが胃から流れ出てしまったりすると診断が困難になってきます。
また粘膜の凹凸をみながら病変を診断しますが、平坦な病変は発見することができません。
胃カメラでは直接見ながら診断しますのでその点はもちろん問題なく観察できます。
次に
【バリウムで異常があれば胃カメラを行う】
これが大きいと思いますが、バリウムで引っかかったら胃カメラ行います。
となれば、わざわざ診断能の低い検査を行う意味はほとんどないといっていいと思います。
また
【バリウムでは腸閉塞を起こすリスクがある】
バリウムが検査後上手く出ずに固まってしまうと腸閉塞のリスクにもなります。
もちろん胃カメラでもリスクがないわけではありませんが、そのほとんどは術者の技量でカバーできる事がほとんどです。
以上が胃カメラを勧める大きな理由です。
バリウムがとっても楽な検査ならまだ選ぶ余地もありますが、バリウムも大概しんどい検査です。
百害あって一利なし、とまでは言いませんが胃カメラがどうしても出来ない人やバリウムがどうしても好きな人以外には消化器内科の医師はまず絶対にお勧めしません。
またこれは余談ですが、健診のシステムは異常所見を引っかけて(異常を指摘すること)いい上限が決まってます。これは適当に引っかけまくって検査で儲けるような悪い病院を取り締まるためでしょうが、そのせいで診断にバイアスがかかってしまう可能性もあります。
わかりやすく昔の経験で言いますと、以前僕が健診の手伝いに行ったときに「あまり引っかけると調査が入ります」といわれてから画像の診断に入らされました。僕は手伝いで行っただけでしたのでもちろんそんなの気にも留めずに怪しいと思ったら引っ掛けまくってました(笑)
ですが、それを気にしてしまう立場の先生(例えばその病院の関係者など)が診るとなれば話が違ってくる可能性があります。
そんな事もありまして個人的には健診は全て内視鏡検査に代わってほしいと思っております。
しかしながら、さすがにバリウム作ってる会社とか、バリウム検査する技師さんたちの生活もあります。また本当に廃れてしまったら、いざ消化管造影行うとき(かなり限定的な状況ではありますが)にできる人がいなくなってしまうなどの可能性もあります。
ですので声を大にして言いたいとは思ってはおりませんが、
せめてこれを読んでいる方々には
健診では胃カメラを受けてください!
とお伝えしたいと思います。
最後まで読んでいただきありがとうございます。
【役に立ったらいいな】開業医(町医者)の選び方 その2 内科編
お疲れ様です。
今度は内科の町医者さんの選び方に移ります。
その前に、、
あくまで私見ですので当てはまらないことも多々あります
鵜呑みにして誰かを傷つけることのないようお願いいたします。
まず初めに大事なことは、
【標榜を確認する】
標榜というのは看板に書く科のことです。
例えば僕が開業する場合で話しますと、消化器内科ですので「消化器内科」「内科、消化器内科」「胃腸科」など標榜することになると思います。
ここで大事なポイントは
【何科を標榜してもいい】
という点です。ただし麻酔科など一部の専門家はのぞきます。
細かいルールに興味がある方は日本医師会のHP等見て頂けたらありがたいです。
ここで問題なのは、全く外科のトレーニングを積んでいない僕が「内科・外科」と標榜してもいいということになります。
もちろん、そんなことしたら僕も患者さんも困ることになるので絶対に行いませんが、
内科以外の専門の先生が開業する際に内科を標榜するケースは結構あります。
もちろん内科以外の先生も普段外来診療もされておられるので、間違いではありません。
しかしながらあくまで専門外となりますので、内科の専門的な病気については内科医と比べると診療されてこなかった先生が多いと思います。
その経験の差が後々響いてくる病気もあります。ですので、
【内科とそれ以外の科を一緒に標榜しているときは要注意】
もちろん内科医と他科の先生がお二人で診療されている場合はもちろんこの限りではないです(笑)
なので一度HPなどで人数構成なども確認してください。
続いて大事なことは、
【診療する先生の専門医資格を確認】
僕の場合で言いますと、「消化器内科専門医」「消化器内視鏡専門医」の資格を持ってます。
これで僕が消化器内科の専門で内視鏡(胃カメラや大腸カメラなど)のトレーニングを積んでいることが分かる事になります。
となれば特に腹部症状中心に得意である可能性が高いとなります。
他には
「循環器内科専門医」でしたら心臓関連、不整脈や動悸などの診療に強いとなりますし
「呼吸器内科専門医」でしたら肺関連、喘息、呼吸困難などの診療に強いとなってきます。
専門医資格は条件はそれぞれ違いますが、大体その専門科で3-4年以上診療していなければ取れません。
また内視鏡などの手技の資格は、さらにどの種類の検査を何件をこなしたかなど細かく決まってます。
ですので専門資格持ってるならその科においては安心できる可能性が高いです。
もちろん資格を取らずにきちんと診療しておられる先生もいますので、もし今かかっておられる先生が資格を取られていなかったとしても安易に否定はされないでください。
長くなりましたので続きはまた次回に書かせて頂きます。
【役に立ったらいいな】開業医(町医者)の選び方 その1 外科編
お疲れ様です。
今回は開業医の選び方について僕なりの考えを書いてみようかと思います。
前回の「消化器内科について」でも書かせていただきましたが、同じ消化器内科という科の中でも専門はそれぞれ違うので患者様の疾患によっては得手不得手があります。
まして内科という大きなくくりでいうと正直まったく診たことない病気の方が来院されることもしばしばあります。もちろん、そんな時は対応しないわけではなくその病状に応じた検査などを行いつつ、専門科の先生に紹介したりすることになります。
そうなると、場合によっては二度手間になってしまうこともあるのでやはり病状にあった科に受診されるのがベターと思います。
最終的に細かく書いていこうと思っておりますがまずは大きなところから行こうと思います。
さてまずこれは皆様そうしていると思いますが、
【怪我をしたら外科へ】
外科系は苦手なのでやや曖昧に書かせていただきます。
もしこれは違うなどのご意見あれば参考にさせていただきます。
内科医は基本外科のトレーニングしてません(救急に長く携わっておられる方は別です!)
内科の開業医にはそもそも処置具が置いていないこともありますので怪我をしたらまずは外科に行ってください。たまにかかりつけなので診て欲しいと内科に来られる患者様いらっしゃいますが、なかなか厳しいです。
また骨折してそうな時(わかりやすいのはぶつけたとこが赤黒く腫れるなど)なら整形外科がいいと思われますが、そういう時は大きな怪我をしている可能性があるので、入院設備のある大きな病院の救急外来に連絡するのが早いと思います。(かかりつけに外科、整形外科があれば相談してみるのもありです、すぐに大きな病院に連絡してくれる事もあります。)
ここら辺は何となくそうしてる方が多いと思いますのでこれくらいにしときます。
長くなるので内科編は次回に書かせていただきます。
消化器内科について
お疲れ様です。
今回は僕の働いている消化器内科という科について書いてみたいと思います。
まず内科といっても幅が広いので細かく分かれています。
大体、
循環器内科、消化器内科、呼吸器内科、神経内科、代謝内分泌内科、血液内科、膠原病内科、腎臓内科、位で分類されると思います。
大きな病院では感染症内科とか、その他細かく分かれている所もありますが、元々は上の科のどれかの先生であることが多いです。
消化器内科についてまず大学病院について説明しますと、病院にもよりますが基本的に以下の4つの班に分かれます。
①食道、胃、十二指腸の上部消化管(胃カメラで見れる範囲です)
②大腸
③胆膵(胆石、膵炎等に代表される胆嚢、胆道、膵臓を診ます)
④肝臓
この他に抗がん剤など使う化学療法班などもありますが、癌は消化器疾患以外もありますので最近は化学療法は他科との合同で一つの科として動いている事が多いです。
また最近カプセル内視鏡などが普及し始めたので小腸班(大腸よりも口側にある5-6mの腸です。)ができたりしていますが、これは大体大腸班の先生が一緒にやっている印象です。
これらの各班に分かれて専門的な治療を行っていくのですが、さらにそれぞれの疾患別に細かく班が分かれていきます。
例えば大腸班なら
●大腸癌の診断+内視鏡手術中心の班
●炎症性腸疾患(クローン病、潰瘍性大腸炎など)の診断+治療班
●大腸疾患の研究班(マウスなど用いた研究、患者さんと提携して行う臨床研究など)
といった具合です。
もちろんオーバーラップしますのでそれしか診ないなんて事はありませんが、一言で消化器内科といっても所属する班によって得意分野は相当変わってきます。
僕が所属していたのは肝臓班なのですが、中には肝臓だけに特化して胃カメラ等の内視鏡の検査を全くされない先生もいらっしゃいました。(その代わり肝臓の診断、治療は半端なくすごかったです。)
なので消化器内科といっても様々な先生がいらっしゃいますので皆様もネットなりなんなりでその先生が消化器内科の中でも何を専門としているのか確認してみてもいいかもしれないです。
ちなみに僕は、たまたま大学から出向した病院(関連病院)の関係で胃カメラ、大腸カメラ、胆膵疾患、胆膵処置内視鏡(ERCPといいます)を中心に診療し続けたので、
今では肝臓班というよりも大腸班+胆膵班みたいな感じになってます(だいぶ変わり種です笑)
長くなりましたので、関連病院などについてはまた書かせて頂きます。