【雑記】血を吐いた!その時現場は。(前編)
皆様お疲れ様です。
そろそろ救急搬送でこういうことが起き始める頃合いになってきたので、以前勤めていた病院での様子を書いてみます。
ちなみに時期というのはこちらに書いてみました。
とある日の医局での出来事。
いつもの通り自分のデスクでネットサーフィンしている待機をしていると、事務から電話が、
事務「吐血患者さんの救急要請です。」
僕「どういう状況ですか?」
事務「年齢は60歳、男性。当院にはかかったことがなく本日昼ご飯後に気分が悪くなり吐いたところ血が出てきたとのことです。」
吐血(消化管出血)で難しいのは血を吐く原因をある程度推測する必要があり、それによって治療方法が変わってくるというところです。
「血をサラサラに薬を飲んでいる」「アルコール多飲者」などのキーワードを探っていく必要があります。
僕「何か既往歴(今までかかった病気です)あるの?あと薬は何飲んでるん?アルコールは飲みはる人なん?」
救急の現場で何をのんびりと思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、病院によっては置いてある物品によって出来る処置が変わってきます。
全て置いてある大きな病院ならとりあえず来てもらうのですが、前の病院の場合出来ない処置がいくつかあり状況によって初めから大きな病院に行っていただく様要請する場合もあります。
ちなみにいつもこの辺りからテンションが上がってきて事務の人にため口になってきます(笑)
事務「既往は〇〇病院で心筋梗塞の既往がありステントを入れたとの事です。」
僕(ほう、ってことは血をサラサラにする薬もきっと飲んでいるんだろうな)
事務「内服に抗血小板薬(血をサラサラにする薬)入ってます。」
僕「だろうね(ドヤァ!)」
なんてこの領域やる人ならみんな知ってる情報を予想できたことに、ちょっとドヤ顔になりながら次の展開を予想する。
僕「胃薬入ってなかったんちゃう?多分胃潰瘍からの出血ちゃうかなぁ(自信満々)」
抗血小板薬を飲むと胃潰瘍のリスクが高まるので普通は胃薬と一緒に処方するのですが、結構これを怠るお医者さんが昔は多くてよく出血が起きてたんです。
最近はさすがに少なくなってきましたが、その頃はちょくちょくありました。
事務「いえ、胃薬は入ってます」
僕「え。。あ、そうなんだ。(ちょっと恥ずかしい)」
事務「あ、はい。あとアルコールは朝から飲んでいたそうです。」
僕「朝から!」
アルコール多飲者というかここまで来ると依存症の方だと予想がつきます。
基本的にアルコール依存症の方は入院すると離脱症状が起きやすくかなり精神面でのコントロールが難しくなることが多いです。(以前に殴り掛かられたこともあります)
ですので精神科の医師がいて処置のできる病院(必然的に大きな病院になります)に行っていただくのが安全となります。
僕「アルコール依存症やね。それはさすがにうちで受けたら入院管理できへんのちゃう?大きな病院に行ってもらおう。」
事務「…そう…ですか。わ…かりました。」
僕「ん?なんか問題あった?」
事務「ちょっと聞いてみま」ガチャ
僕(何を??誰に??ってか電話切るの早っ!)
そして、2分後僕の電話が再び鳴り…
ここからは課金していただくと続きをお楽しみいただけます。嘘です(笑)
少し長くなったので2回に分けて書かせていただこうかと思います。
最後まで読んでいただきありがとうございました!